UFO LAMP by Kaho Akiyama
首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 インダストリアルアート学域
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この照明器具は、円盤と光源部分の2つで構成されている。パイプ状の光源部分の上部に円盤をそっと入れると、その場所で円盤は浮き、浮いた状態の円盤を右回りに回していくと、パイプ下部が徐々に明るく光る。そして左回りに円盤を回していくと、徐々に光が弱まり、最後には消灯する。「円盤が浮く」と言う見た目から「UFO LAMP」と名付けた。
UFO LAMPで最も重要な要素となっているのは「斥力」である。斥力とは引力の逆の「反発する力」である。磁石のS極とN極を近づけるとそれらが引き付けあい、くっつくのに対し、同じ極同士を向かい合わせた際に近づけることのできない現象は、「斥力」がはたらいているからである。
世の中に磁石を用いた照明器具はいくつか存在する。しかしその大半が磁石の引力を利用したものであり、磁石の斥力を利用したものは少ない。また、それら磁石を利用した照明器具はひとつの光源の明暗が変化する「調光機能」を有するものは少なく、「斥力を利用し調光機能を有する照明器具」はこのUFO LAMP以外には存在しない。
UFO LAMPは、デスクライトや間接照明としてはもちろん、円状であるという特徴を生かし、360度どの位置からでも調光ができるテーブルの中央に置くことのできるテーブルライトとしても使用できる。また、UFO LAMPの構造は調光機と磁石を、円盤、パイプ下部にそれぞれ斥力の関係になるように配置しただけの単純な構造であるため、形状、素材などのデザインの展開が容易であるという利点がある。パイプの直径を大きくしたり、小さくしたり、パイプの高さを変化させることも可能である。また素材は磁石に反応しない素材なら使用可能なため、木や石、布などの様々な素材を用いることができる。この利点により使用場所に応じたデザイン展開や、ユーザーのイメージに合う素材選びなどが可能である。
円盤が浮き、そしてその自分の手以外触れているものの無い円盤を回すとパイプが光り出す。この照明器具では不思議な体験ができる。
words: Kaho Akiyama
CREDIT
作品名:UFO LAMP
氏名 :秋山夏穂
学校名:首都大学東京大学院(現・東京都立大学大学院) システムデザイン研究科 インダストリアルアート学域
卒業年:2020