庭 by Mako Kawano
武蔵野美術大学 造形学部 空間演出デザイン学科インテリアデザインコース
私が京都の庭園を友人と巡っていた時に友人が話していたことがこの「庭」を作ろうと思ったきっかけだ。
「日本庭園は常に整えられており、四季がうつり変わって もその美しさを、保ってくれる庭師がいる。枯山水はいくつになって行ってもその美しさは変わらない。歳をとって変わっていたのは自分の方なんだ。」と言っていた。
その土地の風土の上に在る植栽と庭師たちの関係がかたちになったものが庭園の美しさだと考える。
この1年間廃材を拾い、その素材で椅子の座面を編み込みいくつかの椅子を作ってきた。椅子の座面を編むというところから、椅子という機能を持ったものと、素材を組み合わせて庭を制作した。
鉄のユニットに麻紐を巻き、素材を編み込み、カットする、私はこの1年間これらに手をかけて育ててきた。私とこのユニットたちとの関係が形となったのが今日この日の庭だ。
また植物は刈り込むことでその風景を保つわけだが、鉄のユニット以外の素材は生き物ではないため、時間とともに朽ちていく。朽ちた部位にまた素材を編み込むことによって新たに風景を保つことができる。
私が素材を選び、編むことで廃材も椅子や庭へと変わり、形を変えていく。
words: Mako Kawano
CREDIT
作品名:庭
氏名 :河野真子
学校名: 武蔵野美術大学 造形学部 空間演出デザイン学科 インテリアデザインコース
卒業年:2022
応募カテゴリー:インスタレーション