RESTE by Naoko Tanaka

桑沢デザイン研究所 スペースデザイン専攻

 
 

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日常で使われている家具を観察して見ると、形や使い方が似通っているものが多いように感じていました。 普段イメージする家具の固定概念を一度無くし、新しい造形と使い方で家具のあり方を見つめ直しました。そこで着目したのが幾何学です。この『Reste』は幾何学造形の面白さを家具に落とし込んだ作品です。

この家具は、すべて円の構造から出来ており、1つの円の形から、異なる形を切り離して同時に使うことができるユニット家具です。『Reste』は日本語で「残す」を意味します。形を足していくのではなく、明快な円の特徴を探り、不要な部分を削って造形本来の美しさ特徴を残すことに重点を置きました。

円を集合させることで、円と円の接点を通る緩やかな曲線が生まれ、この曲線でパーツを切り離す事により、切り離されたパーツを再び1つの円に戻すことができ、この構造からユニット家具の形を考えました。

この家具は、シナ共芯合板から切り抜いた10枚のパーツから構成されており、各パーツの切り離す曲線の位置を変えていく事で、切り離した時に美しい螺旋を描く造形ができます。 三角の抜きによって形に統一感を持たせ、また埃がたまらないように下まで抜けたデザインとなっています。

用途はローテーブルとして使います。

ただし、部屋のインテリアとして魅せる家具をデザインしたいと思い、円の形から切り離した時の造形の美しさにこだわりました。

飾り棚を設けたのは、家具を使うためだけの物にしたくなかったためです。家具も空間を彩る1つのアートと考え、切り離した時のおもしろさに加え、普段引き出しなどにしまわれている大切なものを美しく飾れるような造形を考えました。 

素材について、

家具は日常の中で常にそばにあるものであり、木材には落ち着きや、安らぎを与える効果があるため、目にも心にも優しい木材で1つの家具を作りました。

シナ共芯を選んだ理由は2つあり、1つはシナ共芯の柔らかく綺麗な木目はデザインの一部になると思ったからです。

2つ目は、小口が露出した際、シナ共芯では見た目も美しく触り心地も滑らかな仕上がりになり、全体的に柔らかみのある雰囲気の家具に仕上がりました。

words: Naoko Tanaka

 

CREDIT

作品名:Reste(レスト)

氏名 :田中直子

学校名:桑沢デザイン研究所 スペースデザイン専攻

卒業年:2020年

 

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