Anattā by Shoma Tanaka

武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科 インテリアデザイン専攻

 
 

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作品タイトルである『Anattā』とは仏教の用語で“無我”を意味する言葉である。無我の思想とは“あらゆる事物において、それ自体を根拠づける不変的な本質は存在せず、ただ現象のみがそれを生成している”というものだ。私は音という現象の在り方を無我の思想の中に捉え、音が放つ力、音が人間に及ぼす影響を空間を媒体に表現する作品を制作した。

“音”とは物体の振動が空気に伝播し、人間の耳に伝わることで発生する聴覚現象である。私はその一連の現象から、音とは即ち“空間の揺らぎ”のことであると解釈した。空間の揺らぎが音であるならば、音と空間は密接な関係にあると言える。

構成された素材と空間に生まれる揺らぎは、人間の五感だけでは感じ取ることのできない、我々の精神的な領域に作用するエネルギーを持つだろう。そこに響くのは質量から放たれる振動であり、そこに顕現するのは遍く人々が潜在的に知覚している空間の揺らぎである。

words: Shoma Tanaka

 

CREDIT

作品名:Anattā

氏名 :田中翔馬

学校名: 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科インテリアデザイン専攻

卒業年:2021

応募カテゴリー:インスタレーション

 

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