警鐘庵 by Moeka Nomura
東北芸術工科大学 建築環境デザイン学科
私たちは日々、何かを消費しながら生活している。
街はより便利になるために再開発を繰り返し、店頭にはいつも新しい商品が陳列され、使い捨てのマスクはいつも清潔だ。
便利さを求めて生まれてきたプラスチックという素材は、いつの間にか海洋生物や自然観、人間にまで悪影響を及ぼしている。
そんな、日常にありふれたペットボトルという素材で、非日常空間である茶室を制作した。
化学物質であるペットボトルで作られた、伝統的な日本建築独特の茶室という空間を通して、
曖昧さや簡素な美しさ、自然観を考えてほしい。
ペットボトルをポリエステル繊維に変容させ、アイロンで熱を加えシート状にしたこの素材は
和紙のようでもあり、落ちた光は木漏れ日のようなあたたかさがある。
「これまで」に向き合う空間を通して、「これから」のことを考えるきっかけになってほしい。
今よりもっと便利になる必要があるのだろうか。
words: Moeka Nomura
CREDIT
作品名:警鐘庵 Keisho an
氏名 :野村萌夏
学校名: 東北芸術工科大学 建築環境デザイン学科
卒業年:2022
応募カテゴリー:インスタレーション