SHUHARI Kuromon by design ground 55

Soba noodle restaurant | Osaka, Japan

SHUHARI Kuromon | design ground 55 | photography: Daisuke Shima

SHUHARI Kuromon | design ground 55 | photography: Daisuke Shima

 

DESIGN NOTE

  • 古民家からのコンバージョン

  • アンティーク銅板を用いた腰壁

EN

photography : Daisuke Shima

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

堂島店に続いて、designground 55がデザインを手掛けた日本そば店「手打蕎麦 守破離 黒門店」。100年以上の歴史を持つ黒門市場付近に位置する。建物は、かつての畳店兼住居だったものを、構造補強して飲食店へと転用した。

内装は、姿を残せる部分は極力生かす方針により、梁上の土壁は清掃にとどめて保存。また、天井裏に見える野地板は、一度取り外し、必要な部分は補強した上で洗浄して元に戻したという。

かつて隈元が設計した「守破離 堂島店」と同様に、店内には蕎麦打ちのスペースが用意されており、入り口側にはスツールを配したロングテーブル席、奥にはサロンのような落ち着きのある客席が設けられた。店内奥からは苔のある坪庭を望むことができ、この庭はトイレ内からも見えるように配置されている。

客席をゆるやかに区画する、ロングテーブル奥の腰壁の表面には、アートのような風合いのアンティーク銅板を採用。古材やアンティークなど、時代を経た建物に呼応する素材を丁寧に選んだことで、日本の伝統に根ざした独特の空気が生まれた。

(文中敬称略)

design ground 55の隈元誠司さんに守破離 のデザインプロセスを聞いたインタビューはこちら


DETAIL

ロングテーブルの天板には木目の浮き出た凹凸の古材の表情を残したまま用いた。

パーティションとなる腰壁には、アンティークの銅板を貼った。アートのような発色は、長年使われていた銅製の樋を切り開いた内側の、経年変化により自然に浮き出た模様だという。

そば打ち用の小部屋の前には薪ストーブが新設された。

店内奥のソファ席。右手の開口部上は、テーブル上部の棚に置いた真空アンプなどに繋がる音響機器を造作でカバーし、操作部だけを表側に段差なく納めたもの。

店内奥のソファ席。右手の開口部上は、テーブル上部の棚に置いた真空アンプなどに繋がる音響機器を造作でカバーし、操作部だけを表側に段差なく納めたもの。

苔のある坪庭を望む、店内奥の客席。縦長の開口部は、隣接するマンションと、店内のトイレを見せない位置を精査して計画された。

坪庭に面したトイレ。

 

CREDIT

名称:手打蕎麦 守破離  黒門店

設計:design ground 55 隈元誠司 蒲原翔也

照明計画 NEW LIGHT POTTERY

アートワーク:ドミニク・ルトランジェ

アンティーク銅板:釜屋明和

造園:美昌樹園 吉川雅千

施工: アンドエス

所在地:大阪府大阪市中央区日本橋1-19-4

経営:橋本洋輔

竣工:2018年3月

用途: 蕎麦店

面積:82.7㎡

仕上げ材料:

床/モルタル金ゴテ押さえ

壁/モルタル特殊左官仕上げ 一部ニレ突き板貼り(安多化粧合板) 腰壁/アンティーク銅板貼り

特注照明/NEW LIGHT POTTERY

テーブル/古材天板(丸和産業)ウレタンクリア仕上げ

薪ストーブ(ネスターマーティン)

 

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