HANARE by Schemata Architects

Residence | Chiba, Japan

HANARE | Schemata Architects | photography: Takumi Ota

HANARE | Schemata Architects | photography: Takumi Ota

 

DESIGN NOTE

  • 急峻な斜面上に立つ“育てていく建築”

  • 丸太柱を用いた不整形のテーブル

  • 住み手のDIYを許容するシンプルな設備計画

EN

photography : Takumi Ota

 
 

千葉県いすみ市の山間に建つ急傾斜の山、地上22m上に建つ住宅の計画である。急傾斜であることから、工事用動線がそのまま敷地となり、奥行き5Mと細長く、かつ背後の山の圧迫感から逃れるために室内部分を地上に上げグランド階部分を全てピロティとした住宅である。また、水も電気もガスも通じない、そして道路も畑用の用水路で阻まれ接していない土地での計画だった。構造としては断熱性を十分得るために上階を木構造とし、車を止めるために柱間の距離を十分得るために下階を鉄骨造の混構造にした。また、本計画は施主が自分の家をちゃんと理解したいということから一工程一工程を理解できるように工事を分離発注で行った。ただ、我々は当然この規模での分離発注は初めての経験で、我々でも工程管理しやすいシンプルな構成の計画をおこなった。その結果、建具や間仕切り壁、家具、照明や設備配管が木部スケルトンに対して、それぞれ一対一の関係で取り付くシンプルな構造の建築を計画した。それによって、住み手が建築を理解しやすく、未来における変更の自由度が担保される建築となった。また、長い庇 による遮光性、LOW-Eによる遮熱性、木サッシによる断熱性、ブロックによるトロンブウォールの蓄放熱性な ど環境に配慮した住宅である。

words: Jo Nagasaka/Schemata Architects

 

長坂常さんにHANAREの詳しいコンセプトを聞いたインタビューはこちら


DETAIL

施主からの四角くないテーブルにしたいというリクエストからデザインされた、有機的な形のテーブル。写真左手、南面する壁に積まれたコンクリートブロックは太陽熱を溜めるトロンブウォール。

施主からの四角くないテーブルにしたいというリクエストからデザインされた、有機的な形のテーブル。写真左手、南面する壁に積まれたコンクリートブロックは太陽熱を溜めるトロンブウォール。

住み手が、暮らしながらDIYのように設備をメンテナンスしたり更新したいということから、家具や設備は建築に対してシンプルな方法で取り付けられている。

住み手が、暮らしながらDIYのように設備をメンテナンスしたり更新したいということから、家具や設備は建築に対してシンプルな方法で取り付けられている。

「HANARE」は接道していなかった傾斜地の敷地に計画された。南と西には長さ2mの庇を設けている。

「HANARE」は接道していなかった傾斜地の敷地に計画された。南と西には長さ2mの庇を設けている。

 

CREDIT + INFO

名称:HANARE

設計:スキーマ建築計画 長坂 常 片田友樹

施工:三井孝明 田中製作所 庄司土建 アメニティジョイハウス

設備:大高工業(水道) 丸仁電機(電気)


所在地:千葉県いすみ市

用途:個人邸

竣工:2011年10月

敷地面積:933.9m2

延床面積:180.08m2

仕上げ材料

床: 大理石

壁:合板下地白塗装 + コンクリートブロック

 
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