HOUSE IN NISHIYOSHINO by Yusuke Seki Studio

Nara, Japan

HOUSE IN NISHIYOSHINO | Yusuke Seki Studio| photography : Kenta Hasegawa

HOUSE IN NISHIYOSHINO | Yusuke Seki Studio| photography : Kenta Hasegawa

 

DESIGN NOTE

  • 既存に“寄生”したかのような増床部のデザイン

  • 継ぎ木により再生した構造部材

  • 新旧が入り混じる独自のディテール

EN

photography : Kenta Hasegawa

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

奈良県で、Yusuke Seki Studioの関祐介がリノベーションを手掛けた、果樹園を営む家族のための住宅。鉄骨造の母屋の裏手にある、農具置き場となっていた木造の櫓はいったんすべて解体し、傷んだ部分は継ぎ木した後、再び同じ場所に組み上げ、増床部分を支える構造として活用している。

内部は、かつて倉庫として使われていた母屋の1階中央に夫婦の個室を設けるとともに、玄関には長さ10mの土間をつくり、回遊性のあるレイアウトを実現。1階の増床部分には水周りを設け、2階はキッチンと広々としたリビングとして生まれ変わった。

設計者自身が、「建築のハッキングというか、寄生するようなアプローチになった」と振り返るように、既存を生かしながら機能を加えた結果、新旧の材による自然発生的なディテールが随所に見られる個性的な住空間となった。櫓上の増床部については、奈良県の歴史遺産として知られる高床式倉庫からもインスピレーションを得たという。

(文中敬称略)

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関祐介さんへのインタビューはこちら

 

DETAIL

改修前の様子。母屋の裏には、農具置き場として使われていた櫓が建っていた。

改修前の様子。母屋の裏には、農具置き場として使われていた櫓が建っていた。


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改修後の様子。傷んだ部分に新しい材を継ぎ、再生した部材をすべてもとの位置に組み直し、増築部分の床下を支持している。

改修後の様子。傷んだ部分に新しい材を継ぎ、再生した部材をすべてもとの位置に組み直し、増築部分の床下を支持している。

増床部から、母屋の個室の入り口側を見返す。中央には、母屋の外壁がそのままの意匠で残された。母屋の天井には、鉄骨を一部露出させている。

増床部から、母屋の個室の入り口側を見返す。中央には、母屋の外壁がそのままの意匠で残された。母屋の天井には、鉄骨を一部露出させている。

既存の外壁を残したディテール。

既存の外壁を残したディテール。

1階の玄関には、長さ10mほどの土間を設け、ベッドルームの左右どちらからも室内にアプローチできる設計とした。

1階の玄関には、長さ10mほどの土間を設け、ベッドルームの左右どちらからも室内にアプローチできる設計とした。

2階はワンルームのリビングとキッチン。天井からクリア球の照明を吊った。床はラワン合板の表面を研磨してオイルフィニッシュで仕上げたもの。

2階はワンルームのリビングとキッチン。天井からクリア球の照明を吊った。床はラワン合板の表面を研磨してオイルフィニッシュで仕上げたもの。

 

CREDIT

名称:House in Nishiyoshino

設計:Yusuke Seki Studio

照明計画:ModuleX Inc.

施工:今西工務店


所在地:奈良県

竣工:2016年

面積:180m2

仕上げ材料

1階床:ナラ無垢材フローリング、オイルフィニッシュ

2階床:ラワンベニヤ、表面研磨 + オイルフィニッシュ

 

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