SHANON Office by Tomoyuki Sakakida Architect
Tokyo, Japan
DESIGN NOTES
マテリアルそのものを主役としたデザイン
光と陰、白と黒の対比
photography : Shinichi Sato
words : Reiji Yamakura/IDREIT
ITによるマーケティング業務の効率化などを行う企業のオフィスのレセプションとミーティングルームのデザイン。黒皮鉄板の生地が持つ柄そのものの美しさを生かし、レセプションから従業員が集うミーティングエリアまでの壁には鉄板が用いられた。
建材カタログから既製品を選ぶのではなく、工場などに赴いて自分の目で個性を見極めた上で素材を選ぶ、という使い方が性に合っているという榊田らしい、鉄の強さとプリミティブな美しさを主役にした空間デザインである。実際の設計では、黒皮鉄板の班や柄を生かすことに注力し、美しい部分をトリミングするようにレイアウトを考えていったと当時を振り返る。また、鉄板は床レベルから浮かせることで軽やかさを与え、重さや暗さというネガティブなイメージを低減することを企図したという。
「黒い素材を扱うことは光を扱うことと同義であり、適切に黒を扱えば、光の存在を強く認識できる」という設計者の言葉通り、鉄板以外の部分は白で仕上げることで、鉄の素材感のみならず、光と影の対比を強く感じさせる空間となった。
(文中敬称略)
DETAIL
CREDIT + INFO
名称: シャノン オフィス レセプション&ミーティングスペース
設計: 榊田倫之建築設計事務所 榊田倫之 磯崎洋才
施工: 優雅堂
所在地:東京都港区虎ノ門
経営:株式会社シャノン
竣工:2011年
床面積:84m2
用途: オフィス
仕上げ材料:壁/黒皮鉄板 床/既存コンクリート現し