NTV PROJECT by Tomoyuki Sakakida Architect
Office | Tokyo, Japan
NTV Project | Tomoyuki Sakakida Architect | photography : Koichi Torimura
DESIGN NOTES
現代的な空間構成と日本的なシークエンス
瓦、石、木材などの厳選された日本の素材
自然を感じさせるバルコニーの庭園
photography : Koichi Torimura
words : Reiji Yamakura/IDREIT
都内の新築オフィスビルの最上階に計画された、役員専用の応接スペース。外国からのゲストが多いことから、そこはかとなく日本らしさを感じさせる設えが求められたという。神代杉のロングテーブルを据えたメインルームでは、施主が所有していた加藤唐九郎作の陶壁の一部を移設した、重厚な壁面がゲストを迎える。また、この空間のためには、内外を一体的に整えることが欠かせないと榊田が提案したバルコニーの庭は、都心部にありながらも日本的な自然観を垣間見せる。
意匠的なエレメントだけで和の表現をするのではなく、「瓦敷きの通路を歩かせるシークエンスや、バルコニーの天井を庇のように傾斜させて横長のプロポーションをつくり重心を下げる、といった操作により日本らしい表現を試みた」と榊田は振り返る。機能上求められた、メインルームと前室との間に設けられたパーティションには、秋田杉の角材を45度振った“捻り子”の縦格子を用いるなど、国産の素材を用いた繊細なデザインが徹底され、また、高い施工精度でそれらが実現されている。
（文中敬称略）
DETAIL
アプローチの床にはマットな質感の低焼成瓦を、左手の壁のエッジにはリン酸仕上げのスチールを用いている
右手に見える秋田杉のパーティションは、部材を45度降った「捻り子」と呼ばれる格子により繊細さを見せる
ロングテーブルの天板には神代杉を使用。外部には、根府川石と黒竹の鉄砲垣により庭を設えた
榊田倫之さんにNTV Projectの詳細を聞いたインタビューはこちら
CREDIT
名称： NTV Project
設計： 榊田倫之建築設計事務所 榊田倫之 内海美里
施工： 水澤工務店
照明計画：FDS
・
所在地：東京都
竣工：2019年
用途： 役員用応接室
仕上げ材料：
床、壁／芦野石 壁／一部スチール リン酸処理仕上げ アプローチ床／瓦敷き 天井／秋田杉竿縁天井 パーティション／秋田杉格子 テーブル天板／神代杉 外部／根府川石
