PLY WOOLD FELT by Ena Iida

東京造形大学 デザイン学科 室内建築専攻   

 
 

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私は木製合板と羊毛フェルトを積層した新しい合板の研究と制作、またそれらの素材がもつ特徴を生かした椅子の制作を行った。

制作した合板は表面は合板なので固く、しかし荷重をかけると積層した羊毛フェルトが沈み込むため柔らかいといった"固くて柔らかい"両面価値的特性を持った素材である。

この素材を制作した過程として、始めに木製合板に木以外の素材を挟むことで従来の合板とは異なる質感や柔らかさ、温かみを持つ合板を制作できるのではないかと考えた。

そして、異素材として用いる素材の検討を行い、羊毛フェルトを木製合板と積層する素材とした。

また、プレス機での圧縮による合板の制作方法、羊毛フェルトの量や圧縮時間によるクッション性の変化などの実験から椅子に用いた羊毛フェルトの持つ柔らかさと木の持つ固さの両方を合わせ持った合板を制作した。

制作した合板素材を用いた家具として椅子を選択したのは、人が直接座ることで身体との接触として、この素材が持つ両面価値が最も生かされるのではないかと考えたからである。

座面、背面に用いた合板は圧縮時間が少ないため、フェルトのクッション性があり座った際に合板の平な面でありながら沈む感覚を体感できる。

脚の部分はしっかりと圧縮されている合板を用いているので椅子を支えることが可能な造りとなっている。

今回制作した椅子はこの素材を用いて制作した最初の家具であり、改善の余地を多く残した椅子となった。しかし、木製合板と羊毛フェルトを積層したこの合板は様々な可能性を持つ素材であると考える。

今後もこの素材の研究や家具としての形の検討を続けていきたい。


words: Ena Iida

 

CREDIT

作品名:ply woold felt

氏名 :飯田絵菜

学校名:東京造形大学 デザイン学科 室内建築専攻   

卒業年:2025

応募カテゴリー:家具デザイン

 

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