所在不明の線 by Shizuki Toya

芝浦工業大学 建築学部 建築学科 SAコース

 

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目指すのは既存の関係性の延長上に立ち上がり、その関係を生成し続ける建築である。制度や都市の更新によって生じながら、意図の所在が不明なまま行動や感情を規定する作用線を「所在不明の線」と定義する。従来ノイズと見なされてきた制約条件を資源として捉え直し、建築的に再編する試みである。

理論の基盤として、アメリカの法学者 Lawrence Lessig が提唱した人々を制約する4つの法則(CODE)を導入し、都市に潜む多層的なレイヤーを分析した。そこから抽出した作用線が周囲に及ぼす関係を「法則」すなわち作用線を見つけるフィルターとして整理する。

調査から都市を強く制約するCODEの一つが鉄道高架であるとわかる。高架は土木構造物として完成している一方、空間としては未定義な存在である。対象敷地は江戸城を中心とする斜行グリッドと城外の直行グリッドが切り替わる地点で、かつて私鉄と国鉄の境界であった。私鉄化に伴う高架化によって直行が差し込まれ、土地を東西分断を生んだ高架下の一角を計画対象とする。

ダイアグラム:開発により線路沿線に生じた三角地と町の関係を回復させるため、既存の道を延長して敷地内にも三角地を生成する。三角地同士が向き合う状態を一街区とみなし、引き込んだ道のヒエラルキーを高くすることで接道する道路が中路として機能させる。

計画:敷地に潜む地質、旧参道、戦争や闇市時代の痕跡、飲み屋街の制度、防災ライン、利用時間などが生む線を法則によって分析し、形態と用途を決定した。 また日本三大祭りが行われるこの地で、象徴である神輿保管の外部化や、強い身内文化ゆえに抱える継承のジレンマに対し、日常と非日常を横断する建築と仮設を計画し、人々の活動が多様な事象を接続することを目指した。 この敷地の、かつて存在した市場の道文化、祭りの準備による多くの集会、5つの町内との結節点という条件が本計画の日常の延長に位置付けてくれる。

鉄道高架という都市の手術痕に対し、その永続性を逆手に取ることで、開発で失われつつある街の文化をストックする。都市構造を内包した図式として周囲との関係を持続させることが、失われゆく風景への抵抗になると考える。 

words: Shizuki Toya

 

CREDIT

作品名:所在不明の線 / The Undetermined Line

氏名 :戸屋志月

学校名:芝浦工業大学 建築学部 建築学科 SAコース

卒業年:2026

応募カテゴリー:インテリアデザイン

 

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