1616/ARITA JAPAN by TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO
Showroom | Saga, Japan
DESIGN NOTE
利用シーンを体感できるショールーム
土着的な素材使いと独創的なディテール
ブランドアイデンティーの空間化
photography : Takumi Ota
words : Reiji Yamakura/IDREIT
佐賀県・有田にオープンした、陶磁器ブランド「1616 / arita japan」のショールーム。設計を手掛けたのは、同ブランドのクリエイティブディレクターを務める柳原照弘。実際に器を使うシーンを体感してもらうために、広々としたショールーム全体は、リビング空間のような構成を意図して設計された。また、有田焼をつくるプロセスと同じ考え方で空間づくりをしたいと考えたという柳原は、土壁に焼き物に使う陶石を混ぜるなど、この場所にふさわしく、ここでしかできない仕上げを追い求めたという。
土壁の一端には銅板を合わせ、オリジナルのレンガ素材を用いたディスプレイテーブルの周辺は黒皮鉄板で、左官の壁の小口や見切りは銅板でシャープさを見せるなど、本人が「素材や工法は日本古来のオーソドックスなものを使いながら、そこに対するアプローチは自分なりのディテールで攻めた」と振り返る、細部にこだわった仕上げが随所に見られる。「有田の焼き物の技術を生かす」というブランドの基本コンセプトと、精度で違いを表現するという彼らのアイデンティティーを空間全体で体現した空間となった。
(文中敬称略)
1616/arita japanのコンセプトを柳原さんに聞いたインタビューはこちら
DETAIL
CREDIT
名称:1616 / arita japan 有田ショールーム
設計:TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO 柳原照弘 寺前星那
照明:New Light Pottey
什器:MKマテリアル
什器・建具:オブ
左官:田崎左官
施工:浦川住建
所在地:佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 アリタセラ
経営:株式会社 百田陶園
竣工:2020年5月
面積:308m2
用途:ショールーム
仕上げ材料:
床: ダグラス無垢材フローリング(Dinesen) 特注レンガ敷き
壁: 陶石混入オリジナル土壁仕上げ 一部銅板t2 ダグラス無垢材(Dinesen)
天井:陶石混入オリジナル左官仕上げ
柱:陶石混入オリジナル左官研ぎ出し
家具: Skagerak、E15、 一部アンティーク
什器:ディスプレイテーブル/特注レンガ + 黒皮鉄板
サイン:銅板