KINOSAKI RESIDENCE by Puddle

Hyogo, Japan

 
KINOSAKI RESIDENCE | Puddle | photography : Takumi Ota

KINOSAKI RESIDENCE | Puddle | photography : Takumi Ota

 

DESIGN NOTE

  • 既存建物の特殊性を価値に変えるデザイン

  • 現代のデザイン要素と既存部とのコントラスト

 

EN

photography : Takumi Ota
words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

兵庫県の著名な温泉街にある個人邸のデザイン。検番と呼ばれる、芸妓の寄合所として使われていた建物をリノベーションしたもの。

既存建物を気に入った施主がすでに購入した後に、旧知だった加藤に声が掛かり、ある夏の晩に現地を見にいったのが建物との最初の出合いだったという。基本的なレイアウトプランを固め、天井の解体を始めた際に、これまでの50余年を支えてきた特徴的な梁が小屋裏で発見され、施主との共通認識として、この梁を生かした改修を進める方針となった。

稽古に使われていた最上階の舞台は、住居内の小上がりとして奥行きを半分にカットする形で現在に残されている。舞台の幾重にも重なった塗装を剥がすことで、ここでは建設当時の木の表情を見せる使い方をしている。

Puddleの掲げる設計理念の一つ、「いま在るものを読み解き、その価値を再発見する」を言葉どおり実行し、土地性と時代性のコンテクストに敬意を表しながら、現代的な住空間をつくり上げたリノベーションと言える。

(文中敬称略)

 

DETAIL

築50年の建物の天井裏に隠れていた特徴的な梁は、この住居のポイントとしてそのままの姿で保存された

正面奥に見えるかつての舞台は、奥行きを半分にカットして、小上がりのスペースとして活用されている。また、舞台の表面に塗り重ねられていた塗装はすべて剥がして、木の素材をそのまま見せている

正面奥に見えるかつての舞台は、奥行きを半分にカットして、小上がりのスペースとして活用されている。また、舞台の表面に塗り重ねられていた塗装はすべて剥がして、木の素材をそのまま見せている

ナチュラルな素材を多用した、2階の洗面スペース

ナチュラルな素材を多用した、2階の洗面スペース

ラワンベニヤで造作された2階の洗面カウンター。天板、および、洗面ボウル部分は現場でエポキシ塗装を施している

ラワンベニヤで造作された2階の洗面カウンター。天板、および、洗面ボウル部分は現場でエポキシ塗装を施している

既存部を意図的に残した1階の玄関まわり

既存部を意図的に残した1階の玄関まわり

 

Puddleの加藤匡毅さんに、KINOSAKI RESIDENCEなどのコンセプトを聞いたインタビューはこちら


CREDIT

名称: Kinosaki Residence

設計: Puddle 加藤匡毅

施工:袖長建設

所在地:兵庫県豊岡市

竣工:2016年2月

面積: 276m2 

用途: 住宅

仕上げ材料:

床/ラワンベニヤ材フローリング 壁/PB+AEP オリジナル造作洗面カウンター/ラワンベニヤ材 天板および洗面ボウル内/エポキシ塗装

 

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