ŌYANE by DO.DO.

Retail Store | Nagasaki, Japan

OYANE | DO.DO. | photography : Takumi Ota

OYANE | DO.DO. | photography : Takumi Ota

 

DESIGN NOTE

  • 現地で手に入るものを使った丁寧なデザイン

  • 既存売り場を生かすギャラリーの提案

  • 来訪者を引き寄せる屋外広場

EN

photography : Takumi Ota

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

長崎県波佐見町に計画された西海陶器のギャラリーとショップのデザイン。同敷地の地階にあったショップへの来客増を目指し、DO.DO.に改修の依頼があったという。

地下の既存店は、専門業者向け売り場のようなスタイルだったが、その込み入った店内でモノを探し出す体験を面白いと感じた原田は、その売り場はあえてそのまま残し、地下とはコントラストのあるギャラリーのような売り場を新設する提案を行った。そうして実現したのが、見てもらう場所としての上階と、探し出す楽しみのある地階、という両者が引き立て合う構成。既存の搬入用エレベーターと階段を活用することで、2層を繋いでいる。

器を焼く際にかつて使用されていた白いスペーサーを、ギャラリー部分の壁仕上げや什器に使用したほか、器の破片を散りばめた屋外階段など、「陶磁器の里にあったものを見つけ出し、再構築することで、産地である波佐見でしかできないデザイン」(原田)を随所に見ることができる。

また、屋外には、イベント利用のできる大屋根を持つスペースが設けられ、陶器市などに活用されている。現在、同じ敷地にて2020年5月開業予定で、「COYANE」という飲食スペースの計画が進行中だという。

(文中敬称略)

 

DETAIL

什器や柱まわりに使われたのは、かつて製陶に使われていた“ボシ”と呼ばれる白い容器。釉薬の跡など使用感があるボシをそのまま転用した。奥の壁には円形のボシを一面に積み上げている。

什器や柱まわりに使われたのは、かつて製陶に使われていた“ボシ”と呼ばれる白い容器。釉薬の跡など使用感があるボシをそのまま転用した。奥の壁には円形のボシを一面に積み上げている。

原田さんが図面を描き、波佐見焼でオリジナル製作したランプシェード。雲のような表情とするために、わざと手で歪みを付けている

原田さんが図面を描き、波佐見焼でオリジナル製作したランプシェード。雲のような表情とするために、わざと手で歪みを付けている

新店舗へのアプローチとなる外部階段には、波佐見焼のカケラを用いた。

新店舗へのアプローチとなる外部階段には、波佐見焼のカケラを用いた。

同階段では、青いカケラの割合を変えて、グラデーションをつくっている。

同階段では、青いカケラの割合を変えて、グラデーションをつくっている。

大屋根を掛けた広場の床は、陶器の欠片を混ぜた洗い出し仕上げ、周囲のストライプに見える部分は、砂利敷きの一部に使用済みの枕木を埋め込んでいる

大屋根を掛けた広場の床は、陶器の欠片を混ぜた洗い出し仕上げ、周囲のストライプに見える部分は、砂利敷きの一部に使用済みの枕木を埋め込んでいる

 

DO.DO.の原田圭さんにOYANEのデザインプロセスを聞いたインタビューはこちら


CREDIT

名称: ŌYANE

設計: DO.DO. 原田圭

サインデザイン:hokkyok 藤井北斗

建築施工:小佐々建設

所在地:長崎県東彼杵郡波佐見町折敷瀬郷2204-4

経営:西海陶器

竣工:2016年7月

用途: ギャラリー&ショップ

仕上げ材料:

内部壁および棚什器/ボシ(厘鉢) 棚什器/シナ合板

外部床/モルタル陶器破片洗い出し、使用済み枕木埋め込み+砂利敷き

鉄骨:亜鉛メッキ仕上+ウレタン塗装

屋根:ガリバリウム鋼板+ケイカル板EP塗装

 

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