ROOTH 2-3-3 by MOMENT

Cafe | Fukuoka, Japan

ROOTH 2-3-3 | MOMENT | photography : Fumio Araki

ROOTH 2-3-3 | MOMENT | photography : Fumio Araki

 

DESIGN NOTE

  • レンガ建築の歴史を継承したリノベーション

  • 快適性に配慮した設備計画

EN

photography : Fumio Araki

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

東京を拠点とするデザイン事務所、MOMENTがインテリアデザインを手掛けた、築65年のレンガ造の米蔵を、地域の人が集う街の拠点として再生することを目指し、ドーナツやコーヒーを楽しむことのできるカフェとしてリノベーションした計画。

永くこの地に立つ建築の魅力を継承すべく、小屋組など既存部をできるかぎり残すデザインに取り組んだとMOMENTの平綿久晃と渡部智宏は振り返る。設計中は、梁まわりの構造補強や、排煙機能を備えたトップライトを新設するなど、現行法規に適合させる工程と、今あるものを正しい形で残すことの間で、制約に抗うように一つひとつ課題を解決していくプロセスだったという。また、歴史的な建築だからといって快適性を犠牲にせず、床暖房など必要な設備を付加することで、現代の用途にフィットする心地よい客席空間が実現している。

(文中敬称略)

 

DETAIL

レンガ造の米蔵だった建物内部には、米が直接レンガ壁に触れないよう柱状に材が並んでいたので、その特徴的な意匠を残してリノベーションされた。

レンガ造の米蔵だった建物内部には、米が直接レンガ壁に触れないよう柱状に材が並んでいたので、その特徴的な意匠を残してリノベーションされた。

耐震補強や空調設備を周縁に寄せ、中央部をスケルトンとして既存の小屋組を見せた店内。禁煙の表示は既存。屋根を架け替え、トップライトは新設している。カウンターは、新聞を読めるよう奥行き830mmとした。

耐震補強や空調設備を周縁に寄せ、中央部をスケルトンとして既存の小屋組を見せた店内。禁煙の表示は既存。屋根を架け替え、トップライトは新設している。カウンターは、新聞を読めるよう奥行き830mmとした。

店内には60紙もの新聞がディスプレイされており、自由に読むことができる。手前のテーブルは机上で新聞を広げられ、さらに見知らぬお客同士が対面しても気にならないサイズとして、奥行き1100mmとした。

店内には60紙もの新聞がディスプレイされており、自由に読むことができる。手前のテーブルは机上で新聞を広げられ、さらに見知らぬお客同士が対面しても気にならないサイズとして、奥行き1100mmとした。

外壁のレンガは、かつて大牟田炭鉱で使われていものを、倉庫に再利用したもの。店名の2-3-3は、番地に由来する。

外壁のレンガは、かつて大牟田炭鉱で使われていものを、倉庫に再利用したもの。店名の2-3-3は、番地に由来する。

外部から店内を覗けるように設けられたピクチャーウィンドー。

外部から店内を覗けるように設けられたピクチャーウィンドー。

 

同店の設計プロセスを聞いたインタビューはこちら


CREDIT + INFO

名称:ROOTH 2-3-3

設計:MOMENT 平綿久晃 渡部智宏

施工:大石建設


所在地:福岡県大牟田市不知火町 2-3-3

経営:株式会社 Be The One

竣工:2018年8月

面積:229m2

用途:飲食店

仕上げ材料:

床/モルタル仕上げ + 床暖房

壁/既存+ 一部フレキシブルボード

天井/既存+一部PB下地AEP塗装

カウンター/CB積み+天板ナラ材オイル仕上げ

 

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