角材のピンカド by Yuki Mino

東京造形大学 造形学部 デザイン学科 室内建築専攻

 

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私たちが普段目にする「角材」。

その多くは建築の柱や下地として、壁の奥で静かに建物を支える役割を担っている。 しかし、直線と直角で構成されたその端正な佇まいには、単なる構造材として隠しておくには惜しい、素材本来の美しさがある。本研究は、構造の枠に留まっていた角材を解放し、その魅力を空間へと広げる試みである。「角材らしさ」を損なうことなく、幾何学的な操作によって「動き」を与え、静止していた木材に新たな可能性を提案する。

具体的には、角材を45度や90度の角度で切り分け、金物を介して回転させることで、木柱に新しい表情を生み出す。厚みや幅を調整し、回転面が正方形になるよう設計することで、どの角度で折り曲げても木の角(かど)が美しく揃う仕組みだ。 建築用語で「ピンカド」といえば、通常は木材の角が鋭利に尖っていることや、同一平面上で角同士を突き合わせる納まりを指す。 対して本作「角材のピンカド」では、軸線を中心に角度を変えながら、立体的に展開できる機構を考案した。これにより、角材は空間の中で動きを持ちながらも、常に端正で美しい佇まいを保つことができる。

この「角材のピンカド」は、静止していた材料に自由を与え、角材の機能を拡張するものである。また本研究は、素材としての「加工前」の状態と、用途を与えられた「加工後」の状態、その間にある豊かな領域を捉え直す試みでもある。原形(加工前)を留めながら、最低限の操作(加工後)を施すこと。この「中間」の状態をデザインすることで、素材の素朴さと製品の機能性が共存する、角材の新たな在り方を提示したい。

words: Yuki Mino

 

CREDIT

作品名:角材のピンカド/Square Timber Pin-Kado

氏名 :三野佑己

学校名:東京造形大学 造形学部 デザイン学科 室内建築専攻

卒業年:2026

応募カテゴリー:インスタレーション

 

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