しこうの庭 by Daiki Watakabe

名古屋工業大学 創造工学教育課程 建築・デザイン分野

 

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京都は1200年に及ぶ文化や産業を有する都市でありながら、それらの文化は常に新しいものを取り入れることによって時代に適応してきた。

特に、昭和初期以降、国際観光都市としての存在感を強めており、毎年、国内外から約五千万人の人々が訪れ、古都京都を楽しんでいる。観光都市というあり方自体が現代の京都の文化となっている。

観光客は主に歴史都市としての京都を目的に訪れている。京都が歴史を保存し、かつ現代に適合させてきた結果と言えるが、一方で、過去を切り売りしているとも言える。観光のように、すでにある京都の文化に日/週単位で消費的に関わる「だけでなく」、これからの京都をつくることも同時に考える必要がある。

京都は大学生のまちと呼ばれるように全国から学生が集まる。日/週単位の速さで京都と関わる観光客に対して、年単位で京都と関わる大学生をこれからの京都の文化をつくる潜在的可能性を秘めた新しい要因と捉え、大学生と地域住民のための創造生活拠点を提案する。

考える「思考」、つくる・試す・練習する「試行」、好きと向き合う「嗜好」を時に一人(「私行」)で、時に誰か(「私交」)と行う...。創造とは「しこう」のからまりである。

建物に囲まれた庭は、京町家が形成してきた奥庭のように地域にとっての静かなプライベートゾーンとなり、さらにそれぞれの棟には、大きな吹き抜けの図書館と交差するデッキ、思考と試行の庭が交わる共有工房、レンガの透かし積みに覆われる休憩スペースを生み出すなどの奥庭でそれぞれの「しこう」が育まれる。

 地形を丁寧に読み解くことで浮かび上がる「しこうの庭」からこれからの京都はつくられる。

words: Daiki Watakabe

 

CREDIT

作品名:しこうの庭 / Creative Garden

氏名 :渡壁大貴

学校名:名古屋工業大学 創造工学教育課程 建築・デザイン分野

卒業年:2024

応募カテゴリー:インテリアデザイン

 

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