BEFORE 9 by Puddle

Beer bar | Kyoto, Japan

 
BEFORE 9 | Puddle | photography : Takumi Ota

BEFORE 9 | Puddle | photography : Takumi Ota

 

DESIGN NOTE

  • 既存のコンテクストに敬意を表した町家改修

  • 店舗アイデンティティーとなった桜材によるビアタップ

 

EN

photography : Takumi Ota

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

蔵元の復活を目指すオーナーのもと、京都の烏丸御池交差点近くの烏丸通りに面する町家を酒&ビアバーに改修したプロジェクト。「木造建築を再生し、小さいながらも街の顔となる空間をつくろうとした計画で、かつての土間だった1階入り口右手のスペースには、竃(くど)から着想を得た、モルタルの塊のようなクラフトビールサーバーを設けました。サーバーのハンドルには、店舗のアイコンとなるような、それぞれ長さの異なる桜材の4面を削ぎ落とした八角形ハンドルを用いています」と設計者の加藤匡毅は振り返る。

店内左側のかつて軽自動車が駐車されていたスペースには、車止めのような逆U字型の柵を設け、また、解体前の現場で発見した家具の一部だったという木製ボックスを壁付けして立ち飲み用スモールテーブルとして再利用するなど、既存町家にあった要素を引き継いだデザインがなされている。また、新設部分にラワンを多用したのは、改修前にラワン製の家具があり、当時のものづくりからインスピレーションを得てのことだという。

1階中央には漁船ランプを街灯のように設置し、その周辺は既存床の段差をポジティブに捉え、厨房配置や家具の高さと連動させながら奥にいくほどフロアレベルを上げることで空間を整えた。厨房上部に位置する2階は、吹き抜け越しに店内の賑わいを感じるテーブル席として活用されている。

(文中敬称略)

 

DETAIL

桜材を用いた、オリジナルのタップハンドル。同様の意匠は、Puddleが手掛けた系列店「DIG THE LINE BOTTLE & BAR」などに継承された。

桜材を用いた、オリジナルのタップハンドル。同様の意匠は、Puddleが手掛けた系列店「DIG THE LINE BOTTLE & BAR」などに継承された。

ビアサーバー下の作業台側面や床の段差の蹴上には、ビールの泡をイメージしたテクスチャーが施された。

ビアサーバー下の作業台側面や床の段差の蹴上には、ビールの泡をイメージしたテクスチャーが施された。

店内には、漁船用のランプを用いた街灯のような照明を設けた。入り口付近に配した、真鍮パイプ製の車止め状の柵とともに、屋外のような感覚を与える。

店内には、漁船用のランプを用いた街灯のような照明を設けた。入り口付近に配した、真鍮パイプ製の車止め状の柵とともに、屋外のような感覚を与える。

既存建物内にラワン製の家具があったことにインスピレーションを得て、ラワン合板で製作されたミニテーブル付きベンチ。

既存建物内にラワン製の家具があったことにインスピレーションを得て、ラワン合板で製作されたミニテーブル付きベンチ。

 

CREDIT

名称:BEFORE 9

企画:WAT 石渡康嗣

設計:Puddle 加藤匡毅   CHAB DESIGN 高塚直樹

ロゴ・サイン計画 岸直人

照明計画 ModuleX

施工:TANK   LOOWE

所在地:京都府京都市中京区烏丸御池上ル二条殿町 545

経営:株式会社 酒八

竣工:2016年

面積:59.47m2

用途:バー

仕上げ材料:

床:樹脂モルタル仕上げ防塵塗装

壁:有孔合板AEP塗装 プレハブ冷蔵庫/モルタル金ゴテ仕上げ

家具:ラワン合板 一部真鍮パイプ

照明器具:漁船ランプ照明(笠松電機製作所) 天井吊りダウンライト(ModuleX)

 

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