#001 TOKYO by Puddle Sound

Tube amplifier

001 #TOKYO | Puddle Sound | photography : Takumi Ota

001 #TOKYO | Puddle Sound | photography : Takumi Ota

 

DESIGN NOTE

  • 職人の手仕事で仕上げられた真空管アンプ

  • 大地や都市を想起させるデザイン

EN

photography : Takumi Ota

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

建築、インテリアの設計を手掛けるPuddleの加藤匡毅が、「音と人をつなぐ新たな体験を創造する」ことを掲げたブランド Puddle Sound を立ち上げ、自身でデザインした真空管アンプ「#001 TOKYO」を発表した。このアンプは、Puddleが客室デザインを担当した渋谷のホテル「sequence | MIYASHITA PARK」(2020年8月1日開業予定)の最上階の一室に設置されるという。

 
眼下に東京の街を一望できるホテル「sequence | MIYASHITA PARK」の一室に置かれた #001 TOKHYO。(写真提供/Puddle)

眼下に東京の街を一望できるホテル「sequence | MIYASHITA PARK」の一室に置かれた #001 TOKHYO。(写真提供/Puddle)

 

Puddle Soundを設立した経緯を尋ねると「設計者として携わるクライアントワークとは別の視点で、現状への疑問を投げかけ、新しい体験を生み出していきたいという考えが根底にある。音を発する製品に限らず、空間に快適な音環境をもたらすアイデアをPuddle Soundを通じて具現化していきたい」とのこと。

この場所にしかない、一つのアートピースとして捉えられるものを目指し、「音楽をどこにでも気軽に持ち歩ける時代になったが、あらためて音を聞く体験と“場所の記憶”を結びつけるような、サウンドの増幅装置をつくりたい」という思いをもとに、土、ガラス、スチールといった彼らが慣れ親しんでいる素材を用いてアンプのデザインは進められた。

スチール製のベース上にある本体は、左官材でひび割れた表情に仕上げられている。真空管の横には、上に凹のすりばち状に銅製のロッドが400本並ぶヒートシンクを配し、操作部のツマミには一部を黒く染色したアクリルを採用。各部の仕上げ、精緻なガラスケースやフレーム下部の間接照明により、いわゆる家電のコンテクストとはかけ離れたクラフトマンシップあふれる仕上がりとなった。

(文中敬称略)

 

DETAIL

左側の音量調節ツマミと、右側の調光ツマミはともに無垢のアクリルを一部染色した素材を使用。アクリル製作はひょうどう工芸によるもの。

左側の音量調節ツマミと、右側の調光ツマミはともに無垢のアクリルを一部染色した素材を使用。アクリル製作はひょうどう工芸によるもの。

真空管を据えたベースは、原田左官工業所により、ひび割れた土の表情を見せる左官で仕上げられている。

真空管を据えたベースは、原田左官工業所により、ひび割れた土の表情を見せる左官で仕上げられている。

取り外しのできるガラスケースは三保谷硝子店の仕事。

取り外しのできるガラスケースは三保谷硝子店の仕事。

銅製のロッドが400本並ぶヒートシンクは、中央部を凹とした“すりばち”状の意匠としている。

銅製のロッドが400本並ぶヒートシンクは、中央部を凹とした“すりばち”状の意匠としている。

ガラスケース下のベースまわりには、調光可能な間接照明を設けている。

ガラスケース下のベースまわりには、調光可能な間接照明を設けている。

 

CREDIT

名称:#001 TOKYO / Puddle Sound

デザイン:Puddle Sound  加藤匡毅

サウンドエンジニア:小松音響研究所

メタルワーク:REYT

ガラス:三保谷硝子店

アクリル:ひょうどう工芸

左官:原田左官工業所

ブランドロゴ & サインデザイン:Shun Kawakami & artless Inc.

素材:スチール、銅、ガラス、アクリル、左官材

サイズ:W742, D308, H187.5

 


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