% ARABICA Kyoto Arashiyama by Puddle

Kyoto, Japan

 
% ARABICA Kyoto Arashiyama | Puddle | photography : Takumi Ota

% ARABICA Kyoto Arashiyama | Puddle | photography : Takumi Ota

 

DESIGN NOTE

  • ロケーションの価値を生かした構成

  • バリスタの存在自体がサインとなる空間

 

EN

photography : Takumi Ota

words : Reiji Yamakura/IDREIT

 
 

2014年に開業した「% ARABICA 京都 東山」に続き、その翌年、同じくPuddleの加藤匡毅がデザインを手掛けたコーヒースタンド「% ARABICA 京都 嵐山」。目の前を桂川が流れ、観光名所である渡月橋を店内から望む絶好の立地に建つ、築40年ほどの東屋を改修して計画された。

「桂川を見渡すことのできるロケーションに対し、この素晴らしい景色を誰のものにするのが最善かをまず考えました。ここで働く人が気持ちよく過ごせることが、最高のサービスと顧客体験につながると考え、一番眺めの良い位置にカウンターを配し、バリスタが毎日気持ちよくコーヒーを淹れられる環境をつくりました」と加藤は振り返る。

10坪に満たない店内には、エスプレッソマシン、生豆のストックヤード、焙煎機とコンパクトなテーブル席が効率的にレイアウトされている。また、店内からの眺望や川面からの安全な高さを考慮し床は高い位置に設定され、川に面する南側には、基礎を延長したような形の屋外ベンチを設けるなど、立地を最大限に生かしながら、レベル差を活用した設計がなされている。

格子や畳といった典型的な和の要素を用いずに、素材感と軽快な構成から日本の美意識を感じさせる「% ARABICA」のデザイン言語は、東山とこの嵐山、また、同時期に京都市美術館で営業した、透明ポリカーボネート素材とアルミフレームによる温室をカスタマイズしたポップアップ店舗にその端緒を見ることができる。

(文中敬称略)

 

DETAIL

スムーズな研ぎ出し仕上げにシャープなガラスを組み合わせたカウンターのディテール。

スムーズな研ぎ出し仕上げにシャープなガラスを組み合わせたカウンターのディテール。

ガラスボックスを浮かせたショーケースの足元は、床から立ち上がったような形状に仕上げられた。

ガラスボックスを浮かせたショーケースの足元は、床から立ち上がったような形状に仕上げられた。

コーヒー豆のストック横には、真空管アンプが壁内に備え付けられている。

コーヒー豆のストック横には、真空管アンプが壁内に備え付けられている。

ヒノキの羽目板の内側に仕込まれたスピーカー。

ヒノキの羽目板の内側に仕込まれたスピーカー。

川に面する南側には、店内席と干渉しないレベル差を考慮しながら、鉄板を下地として基礎と同じ仕上げを施した屋外ベンチを設けた。

川に面する南側には、店内席と干渉しないレベル差を考慮しながら、鉄板を下地として基礎と同じ仕上げを施した屋外ベンチを設けた。

エントランスの床に埋め込まれた真鍮製のサイン。

エントランスの床に埋め込まれた真鍮製のサイン。

 

CREDIT

名称: % ARABICA 京都 嵐山

設計:Puddle 加藤匡毅   エルソン・リン

照明計画 ModuleX 瀧川将太 服部剛司

施工:アンドエス 赤井丈浩 國岡秀匡

所在地:京都府京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町3-47

経営:ASIAMIX株式会社

竣工:2015年

面積:32.9m2

用途:カフェ

仕上げ材料:

外壁/白漆喰、特殊左官仕上げ

屋根/一部銅板葺き

床/モルタル研ぎ出し

内壁/ヒノキ羽目板

カウンター/人造大理石研ぎ出し

家具/黒皮スチール コンクリート平板 ヒノキ羽目板 ヒノキ角材

照明器具/ModuleX

 

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