FLOWING by Haruki Yasuda

大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科

 
 

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本プロジェクトは、室戸岬の雄大な自然と一体化する宿泊施設として、ASTRA‐空、AQUA‐海、ATRAS‐地の3つの要素を象徴する建築で構成されている。自然のエネルギーを可視化する流動的な曲線を基調とし、屋根や床の形状が風や波の動きを表現することで、環境と調和した空間を創出している。

ASTRA ‐ 空の広がりと風の流れをコンセプトとした建築である。屋根や壁は滑らかな曲線を描き、空に向かって開かれたデザインが特徴的である。内部空間は、高い天井と全面ガラスの開口部によって、視線が空へと導かれ、まるで大気の中に浮かんでいるかのような開放感を生み出す。時間とともに変化する光を楽しめる空間となっている。屋上テラスには、夜空を眺めるための展望デッキを設け、星々と一体化するような体験を提供する。

AQUA ‐ 水の流れと海との融合を最大限に引き出すデザインが施されている。建物と海の間にインフィニティプールを配置し、水面が水平線へと続くように設計することで、境界を曖昧にし、無限に広がる水の世界を演出。床は水面をイメージした光沢のある素材を用い、海と室内がシームレスに繋がる感覚を強調している。滞在者は、まるで水の中に溶け込むような没入感を体験しながら、時間を忘れてくつろぐことができる。

ATRAS - 大地の持つ温もりと力強さをテーマにした建築であり、自然との調和を重視したデザインが特徴である。曲線を描く屋根と壁は、風や地形の流れを取り入れながら、安定感のある造形を生み出している。内部空間は、木材や石材といった自然素材をふんだんに使用し、大地の息吹を感じる温かみのある雰囲気を演出する。

ASTRA・AQUA・ATRASの3つの建築は、それぞれ異なる自然の要素を表現しながらも、共通する曲線的なデザインと素材の調和によって、統一感のある空間を創出している。視線の抜けや開放感を重視した設計により、滞在者は建物にいながらも、まるで自然の中にいるかのような感覚を得ることができる。それぞれの建築が提供する異なる体験は、訪れる人々に新たな感動をもたらし、五感を通じて自然と一体化する滞在を可能にする。本プロジェクトは、単なる宿泊施設ではなく、空・海・大地のエネルギーを体感し、心と身体を解放するための没入型空間としてデザインされている。


words: Haruki Yasuda

 

CREDIT

作品名:FLOWING

氏名 :安田波瑠輝

学校名:大阪工業大学 ロボティクス&デザイン工学部 空間デザイン学科

卒業年:2025

応募カテゴリー:インテリアデザイン

 

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