世代を超えたキャッチボール —持ちつ持たれつ学生と農業— by Nanami Oyama

東京電機大学 未来科学部建築学科

 
 

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さいたま市の荒川調整池内にある荒川総合運動公園と塚本郷を対象に、農業と部活動を融合した空間を提案します。1200年の歴史を持つ田んぼと運動場が共存するこの敷地は、農業の後継者不足と部活動の衰退という課題を抱えています。

提案では、部活動を行う中学生・高校生が農作業を手伝い、収穫物を共有することで、農家の労働力不足を解消し、農業学習を促進します。

キッチンを中心に農業と部活動が融合し、食を中心に世代や役職、チームを超えた交流が行われている景色を目標に空間設計を行う。

まず、部活動で利用する部室の機能を「ミーティング室」「更衣室」「荷物倉庫」に分け、チーム外との交流も強化します。ミーティング室はカフェテリアと融合させることで地域住民も利用できる交流スペースとします。キッチンを敷地の中心とし、食の交流や高低差を活用したウッドデッキなど、様々な活動ができるように工夫を行いました。

敷地の特徴である雑木林の中にウッドデッキを設けることで、自然との一体感を創出しています。雑木林と滞在の空間を密接させるような曲線のテーブル、カウンター席などを設けました。道を通ると畳の空間や広いベンチがあり、農作業や部活動の疲れを癒す空間としました。高さのあるウッドデッキの下には作戦会議や農業学習に活用できる黒板と座席のある教室のような空間。壁で区切らずに空間の配置を行いました。畳や少人数・複数人で利用できるテーブルなど、多様な居場所を提供することで、利用者の自由な活動を促します。

さらに、シンボリックなデザインの煙突や折れ屋根など、周囲の人に興味を引く要素を取り入れ、ランドマークとしての役割を持たせています。高台に設けた観戦場と研究室は、スポーツ観戦と研究活動を両立できる多層的な体験を提供します。

地域住民が集い、交流し、新たな価値を生み出す場となることを目的としました。自然と調和し、多様な活動を促す空間構成は、利用者の創造性を高め、地域全体の活性化につながります。

words: Nanami Oyama

 

CREDIT

作品名:世代を超えたキャッチボール —持ちつ持たれつ学生と農業— Intergenerational Catch: A Mutually Beneficial Relationship Between Students and Agriculture

氏名 :大山ななみ

学校名:東京電機大学 未来科学部建築学科

卒業年:2025

応募カテゴリー:インテリアデザイン

 

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