YUJIRO OTAKI
imperfect OMOTESANDO
思い返すとアンドエスさんとの仕事はどれもタイトなスケジュールのものばかりでした。その中でも特に「imperfect」は時間がない上規模が大きく、技術的に挑戦した内容ばかりでした。
「imperfect」は表参道ヒルズ内の食物販+カフェで、私は途中からカフェの担当として案件に参加しました。カフェエリアの天井はSUSカラークリア貼りなのですが当然のようにビス無しで施工、ビス打っていいですか?とも聞かれませんでした。天井には一部掘り込みがあり、その内部もSUS貼りなのですがそこにビスが打たれているのを見て「ここはビスが見えないように直します。こんな施工は恥ずかしい。」とおっしゃっていたことが印象に残っています。
設計者が気にするところを赤井さんは設計者以上に気にしてくれるのでいつも安心して施工をお願いすることができました。
DIG THE LINE BOTTLE & BAR
京都、新風館に入っているテナントの、クラフトビールと日本酒のお店「DIG THE LINE BOTTLE & BAR」。
水をイメージしたクロメートメッキの金物やガラスブロックをアクセントにいれた店舗です。この店舗でも難しい依頼がいくつもありましたが、できないとは言わず、一度検討しますと返答してくださったことが印象的でした。ギリギリでの変更が多いプロジェクトでしたが、できる方法を検討し、実現していく対応力にはいつも助けていただきました。
HOTEL Chocolat 札幌ステラプレイス店
江別レンガをデザインのポイントとして使用した店舗で、店舗中央は円形に什器が並び、レジカウンターも一部R形状にする計画でした。レジカウンターを江別レンガ積みにしていたため、R部分は多角形にレンガを積もうと考えていました。
後日赤井さんと打合せすると「このR部分は、工場にR形状に曲げたレンガを焼いてもうようにレンガ工場に伝えました」と言われ、そこまでするの!?と驚きました。どれほど美意識高いのだろうと。赤井さんとの打合せは、どう答えるか、毎回美意識を試される、ちょっと緊張感のあるものでした。そんなやり取りができる施工者さんは中々おらず、赤井さんには納まりへの美意識を鍛えられました。
また、現場確認後は毎回赤井さんに飲みに連れて行っていただくのですが、そのときに言われた「唯一無二の仕事やっていきたいじゃないですか」という言葉は今も忘れられず、仕事に対する姿勢を正してくれています。