SUMPRY / ATSUKI YAMADA

 

誠実で男気溢れる人間性。赤井さんは、とにかく信頼のおける人でした。

最初の出会いは、5年ほど前だったと思います。前職時代に都内のアパレルストアの施工をアンドエスさんに依頼したことがきっかけです。初対面では、寡黙でどことなく近寄りがたいオーラが印象的でしたが、徐々に赤井さんの人となりが表れるにつれ、とても堅実な方であることがわかりました。仕事に向き合う姿勢はとても献身的で、無理難題にも「はい、やってみましょう」と常に真剣な眼差しで向き合ってくれました。時折ディテールの話を嬉しそうに語る表情からは、赤井さんの仕事に対する情熱や誇りが伺えました。施工者としての赤井さんの存在は、設計者にとって頼れる強い味方。この一言に尽きたと思います。

次第にプライベートでもお付き合いさせてもらうようになり、食通である赤井さんの行きつけのお店に案内してもらい、他愛もない話で遅くまで盛り上がりました。2~3軒目には決まってバーカウンターで葉巻をくゆらす姿は、赤井さんの粋な一面です。いつも小綺麗な佇まいで大人の街が似合う、カッコいい兄貴的な憧れの存在でした。

最後にお会いしたのは今年の5月半ばのことで、その頃に僕が渋谷で行っていたポップアップストアに、スタッフの大橋さんと一緒に足を運んでくれました。その日の夜は近くの 酒場でいつものようにみんなでワイワイしていたものの、次の日から再検査入院だったためか、少しばかり青色吐息な様子もありました。「また元気な姿で戻ってきた暁には、次はみんなで福岡で会いましょう!」と約束をして解散しましたが、思いもせずその日が最後の時間となってしまったこと、大変無念に思います。

赤井さんからは、多くのことを学ばせていただきました。受けた仕事に対しての責任感と妥協を許さない姿勢、そして人間関係における細やかな気配り。厳しさと優しさの二面性を持ったとても義理人情に厚い人でした。これまでに赤井さんが残した足跡は、これからも私たちの記憶の中に確かに息づいていると思います。

赤井さん、今までありがとうございました。 ご冥福をお祈りいたします。

Sumpry 山田敦貴 

 

Reiji Yamakura